ギャラリー惺の個展に寄せて
ここ4~5年”紙”に興味を持ち、和紙を始めアルビレオやワーグマンなどの水彩紙等を使って制作してきましたが、いろいろと試行錯誤の末、私の制作意図をうまく表現できるのは和紙が最良であるという思いにいたり、麻紙や鳥の子等を用いています。
今までの全面に赤だけが見えているという作品(もちろん赤の下にいろいろなものが見えているはずですが)からグレーを基調にした作品になっています。こうした紙の作品の最初の発表は2018年の個展です。タイトルは Good Memories です。新作はこのGood Memories の紙質の吟味や技術的なものを含めて発展的に展開したものです。タイトルは「Whisper in Mind」です。
”表と裏”・”陰と陽” といったこれまでのコンセプトは変わらず、この新作にも十分そのことは反映されています。
武蔵野市立吉祥寺美術館 (2021年4月10日–5月30日)では大作を展示しましたが今回は30号ほどの作品4-5点とドローイングを7–8点展示する予定です。
2023年7月18日 谷 充央