さまざまな版表現Ⅱ

2019/5/25(土)- 6/9(日)
12:00 - 19:00 月、火休廊

廣瀬理紗
宮本承司
山城有未
山本剛史

廣瀬 理紗 / Risa HIROSE

儚くも過ぎ去る時を見つめた作品づくりをテーマとし、季節の移ろいを通して見られる自然の機微や空気な湿度、香りで蘇る記憶を木口に刻み留め、そのときの存在を残していくことをしています。


「通り過ぎる人生の匂い#5」木口木版 水性木版 ed.6 22×22cm 2015

宮本 承司 / Shoji MIYAMOTO

日常で当たり前に見過ごしている面白さを発見しながら制作しています。
楽しんで作ったものを、楽しんで見ていただければ最高です。


「鉄火髷」和紙に水性木版 21×21cm ed.11 2019

山城 有未 / Ami YAMASHIRO

「在りえないとも言えない嘘」をテーマに制作。少し不気味で少し懐かしい、子供の頃に見た夢のような、辻褄が合うようで合わない世界を描きたい。

「この世界で」メゾチント, 15.7×9.5cm, ed.20, 2019

山本 剛史 Takeshi YAMAMOTO

 「人の手で創られたものたちにどうしてだか強くひきつけられる」幼い頃より私を貫いています。おりおり出会う森羅万象の凄みに心は揺れるのですが、ふと気づくとモチーフに選んでいるのは、椅子を含めて人が作った、機能的で、謙虚なようで、切ない存在感を帯びているものたちに収斂していきます。
人の気配に近寄りたくもあり、そのくせ離れても居たい、という私の性分は版表現とは相性が良いらしいく、それらのモチーフが版を介して写しとり、その工程の中で別のイメージに変換して行く。そういった行為を繰り返し、作品を創り続けて来ました。
しかしながら版画制作は融通が利かないこともあり、刷り作業でしくじったりしてはまた心震わせ、繰り返されるわずかな違和感から新たな‘ひらめき’が生まれることもある。それを追って前に進んでいるようです。
そこに「椅子」と呼ばれるものがある。
それは誰かの為のものなのか?それとも今や使われなくて放置された何ものなのか?事情は図りがたく気配だけがたたずんでいます。
生身の人間は不在なのに、立ち込める気配はなまなましく‘写し取る’行為は自由と不自由を思い知らせます。
たとえばバス停で見かける看板つきベンチ、小さな店頭に置かれたスツール、気づくとふと見入っている私に何が写し取られてゆくのか、それらは若干のユーモアを交えてこちらを見ているようです。

「CHAIR 2019 bench model 谷保」ポリエステルフィルム転写
紙:ファブリアーノ ロサスピーナ, 210×297 ㎜, ed.20

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