循環-風と水と大地
2016/6/18(土)– 7/3(日)
月 、火休廊
12:00 – 19:00 (最終日17:00まで)
オープニング
6/18(土)17:00 – 19:00
平体文枝
吉川民仁
山神悦子 経歴
平体文枝 Fumie Hiratai
ベルギー人のお年寄りから「日本では地震が起きるんでしょ?どんな感じなの?」と質問されたことがある。「大きい揺れが来るたびにもう終わりかなって思います。」と答えたら、「ねぇ、どうしてそんなところに住んでいるの?」と聞かれた。たしかに。
でも安住の地なんて果たしてあるのかしら?苦労無くして木に果実の生るあたたかい大地に住んでいたら、そのうち何もしなくなりそうだ。サンクチュアリはあっという間に人でいっぱいになるだろう。そしたら、そんなところには居たくないな。
日々刻々と状況は変化する。どんなに優しい人だって時に怒りだすし。風に飛ばされそうになっても、足下が揺らいでも何とかそこに立ち続けなくては。仕方がない。そんなフラットな覚悟が新たな果実を生みだすのかもしれない。
山神悦子 Etsuko Yamagami
20年以上続けて来た内発的、身体的な表現に行き詰まりを感じ、外部に取材するようになって数年が経ちました。山水、水族館、地殻変動と岩塩、塩の結晶、そして昨年来からの鉱物へと、テーマは変遷しつつも関連していると思っています。
地球の中心と地表の間には今もなお6000℃の温度勾配があり、熱エネルギーの移動がマントル対流やプレート移動による地球の物質循環を引き起こしています。鉱物や岩石を作る元素は人間のそれより遥かに大きなタイムスケールで、地表から地下へ、個体から液体へ、液体から個体や気体へと循環し続けます。その途中で様々な石が出現するのです。
博物館の展示や鉱物図鑑の写真をもとに、ここに至った鉱物の成り立ちを想像しながら、私自身に備わっている本来のリズムによって描いていると自分が果てしもなく大きな自然の一部になるような気がします。
吉川民仁 Tamihito Yoshikawa
最近よく思うのだ。
自分が描くモチーフや題材はすぐ近くにあることを
それでいて描く絵は捉えどころのないもので、
それは近かったり、遠かったりしている。
そんなことを絵具を使って遊んでいる。
唯それだけのコトをしている。
アーティストトーク
7/3(日) 14:00 – 平体文枝 / 吉川民仁 / 山神悦子
ファシリテーター 山内舞子
山内舞子
キュレーター。学芸員として美術館に勤務後、現在はフリーで企画や執筆を行うほか社会人向けスクールや絵画教室で美術史入門講座や多様なアートの楽しみ方などを提案。