このたび当画廊におきまして企画展「にほひみつ 川村紗耶佳 廣瀬理紗」木版画二人展を3/19(土) – 4/3(日)の日程で開催致します。
川村紗耶佳は水性木版を中心に、廣瀬理紗は木口木版を中心に作品を制作、共に大学在学中より精力的に展覧会やコンペに参加、受賞歴もある実力派の木版画作家二人展です。自己の記憶との対話から生まれた、どこか懐かしさを感じさせる川村作品と、花や植物の移ろいゆく姿に自身の繊細な記憶を重ね合わせた叙情的な廣瀬作品。次第に春の香りで満ちていくこの時期に、ぜひご高覧頂けましたら幸いです。
Gallery惺SATORU
川村紗耶佳
私にとって木版画制作は、自己の記憶との対話であり、記憶を形に残す手段です。
作品は、登場人物の夢と現実が重なった世界観を表現しています。
水性木版画の技法を用いて、和紙に幾度も記憶のイメージを摺り取ることで、触ることのできる形として「記憶」を残していきます。
廣瀬理紗
季節の移ろいを通して見られる自然の機微
空気の湿度や香りで蘇る記憶
そして、新たに書き加えられる思いと、その時々の旬の匂いに想いを馳せながら、美しく磨き上げられた柘植の年輪の上に変化あるその一瞬を刻み留めることにより、私と周囲の出来事が結びつき、そのときの存在を残していけると思うのです。
また、花の色を紙に移しとることによって、その色褪せる様を薄れゆく記憶と共に愛でられるような、儚くも過ぎ去る時を見つめた作品を紡ぎ続けていきたいと考えております。