紙の上の思考
- mind

Thoughts through Drawing

2015/1/17(土)– 2/1(日)
12:00 - 19:00 月、火休廊

江口暢彌 経歴
Elissa Marchal
高島進
Tjibbe Hooghiemstra 経歴
山神悦子 経歴
渡辺伸 経歴


このたびGallery惺SATORUでは1月17日(土)から2月1日(日)まで「紙の上の思考 Thoughts through Drawings -mind」を開催致します。

ドローイングの魅力は人間が考えたこと、心で感じたことをストレートに手の軌跡として観ることが出来るところではないでしょうか。思考を初めて紙に描き留めるときの新鮮さや、やり直しの出来ないライブ感など、ペインティングとはまた異った表現としての魅力があります。また紙は観る方にとってもより身近な素材であるので、絵画制作の追体験を得やすいのではないかと考えます。当画廊にて以前より展示をして頂いている作家を中心に六名の紙によるドローイング展です。本展は1月と2月でメンバーを変え、1月はmind(思考)、2月はheart(心)と副題をつけました。ぜひ1月2月とあわせてご高覧下さい。

江口暢彌 /Masaya Eguchi

私にとってドローイングは主に作品を作る上でのイメージの収集です。
収集はあまり考えずに直感的に気まぐれに任せています。特に惹かれたイメージは形式を変え何度も描き、何故それに惹かれたのか探索します。
そうして集められたイメージは作品になるまで数年かかることもありますし、結局作品にならない時もあります。とても無駄なように思える時もありますが、後日見返す時、私自身に新たなインスピレーションを与えるくれることを楽しみに続けています。

Elissa Marchal / エリッサ・マルシャル

これら紙の上の制作には、線、色、繰り返しと重ね合わせといった私のお気に入りのツールを使用しています。
線は私にとって文字を書くことのメタファーです。一行一行綴られた文章のように、あるいは堆積物が幾重にも重なった地層のように、ここでは線が次々と連続します。文章や地層がいずれもストーリーを物語るように、私たちは線が語るストーリーの中にいるのです。いくつもの線の交差の繰り返しによって造形的に生み出される振動が、静止した空間に動きを与えています。

高島進 / Susumu Takashima

メタルポイントと紙のためのドローイング/ Drawing for metal point and paper
メタルポイントとは、直径2㎜の金属線を鉛筆の芯のように尖らせ、ホルダーに入れて筆記用具にした物で、私は現在、金、銀、銅、真鍮の4種類を使っています。紙との相性で表情が大きく違うのと、錆びて時間と共に色が変わっていくのが特徴です。
私の作品は全て、描き始めと描き終わりで線の太さが変わっていく描画材からなり、メタルポイントの線も、先を削って尖らせた最初が細く、徐々に太くなっていきます。私の作品は、このような太さの変わる線を反復し、集積した、線の結晶体とも言え、そこには透視図法的ではない奥行きも伴っています。
一気に仕上げるため、制作開始時刻と終了時刻を記録しています。メタルポイントの作品は、制作時間とその後、錆びて色の変わりゆく時間の、二つの時間が表現された作品とも言えます。
今回の6点の作品には、4種類のメタルと4種類の紙(Arches 300g/㎡、Cotman 270g/㎡の裏表、Fabriano Artistico 300g/㎡、Hahnemuhle Britannia 300g/㎡)が使われています。特に今回は、紙に金属が、できるだけ黒々と良くのる組み合わせで構成しました。錆びて色の変わる速度も速いと思われます。私の予想では、金(22k)には銅が1/24混じっているので赤く変わり、銅と真鍮には緑青が吹く可能性があると考えています。実際に予想どおりになるかどうかは解りませんが、想像して鑑賞されるのも楽しいかと思われます。
2015/1/10

Tjibbe Hooghiemstra / チブ・ホーフヒムストラ

山神悦子 / Etsuko Yamagami

ドローイングシリーズ「海のほうへ」は海の持つ様々な要素に触発されて、自由に想像しながら描いた作品です。
これらの作品は水族館で描いた小さいスケッチを元にしています。それをF4サイズの紙に、ズレや間違いも楽しむ気持ちで拡大しながら鉛筆でドローイングします。
さらに、これらの鉛筆の線と対話するように水彩絵の具で着色します。描きながら、筆をどこで止めて、どのように白紙部分を残すのかを慎重に見極めます。
海の生物、海流や水深、水資源の乱獲、竜宮伝説、サメに襲われながらもイルカの群れに助けられたサーファーの実話などからヒントを得て、これらの作品に相応しいタイトルを付けました。 2014/12/15

渡辺伸 / Shin Watanabe

描き、鉱脈を探る。

旅先のスケッチ、電話中のいたずら書き。
酔っぱらいの戯言を書き留める手帳。
紙と鉛筆があればイメージは伝達でき、
無自覚であるが真実も写しだす。
それ故、紙(神)は偉大である。

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