色考|白  後期

色考|白  前期

2010年12月16日 (木) ―  12月26日(日) 
13:00 ― 19:00   月・火休廊

 

小林悠子 鈴木比呂志 田中マサシ 浜中伸夫 藤田道子 山神悦子

 

同時開催:winter gift 展

 

小林悠子  Yuko KOBAYASHI

白い庭

 

作品を作るときは、色や触った感じ、また制作しようと意図的に探しまわっているような時に、ふと気を留めたものやその場の雰囲気などをとても重要だと考えて、手がかりにします。展示のテーマである白を意識しているとき、夜の風景からうっすらとした白を感じ、また昼間の色や光の反射から白を感じました。散歩をしたり色々なところから集めてきた風景から、自分の庭を空想し描きました。

今回意識した庭は心象風景かもしれません。

 

profile

1978 生まれ

2003 東京造形大学絵画科卒業

2004 東京造形大学絵画科研究生修了

2004 2月~6月オランダロッテルダム芸術アカデミー短期留学

 

Solo Exhibition

2003 「時空花弁」東京造形大学内展示スペースnode

2007 「川向こう」千駄木空間

2008 「星の瞬き草木の瞬き」switchi point

2010 「はなのはなの」ギャラリー世都

 

Group Exhibition

2002 「入る出る」東京造形大学内

2004 「定点」Gallery惺SATORU

2010 「小さな窓展」ギャラリーポポタム

    「FLOWERS」Gallery惺SATORU

『夜の(夜の白い庭)』

26×17.8cm クレヨン・紙 2010

(C)Yuko Kobayashi

 

鈴木比呂志 Hiroshi SUZUKI

時間と表出

 

<白について>

 今の私にとって「白」とは、結果としての「白」ということになります。

平面制作において多くの場合「白いキャンバス」「白い紙」などは、そのスタート地点になっているのではないでしょうか。そこに線や色や形が置かれて絵画になっていくという経過を辿ると思います。

 しかし私の中では、木枠に張られた白いキャンバスや白い紙それ自体が、それ以上何も描き加える必要のない「完成した」ひとつの到達点と感じられるのです。それゆえ現在の私の制作は「白に戻っていく」という、逆の経過を辿っているともいえます。あえて「白」と正反対の「黒」を地におき、木枠の寸法などから割り出した単純な矩形と白い絵の具や紙を何層にも重ねる、その繰り返しによって、全体は「白」に近づいていきます。さらに絵具や紙の素材特有の透過性で生じる微妙な「差異」によって全体が形成されていきます。

<時間と表出>

表層の「白」からみれば、最初に塗られた地の「黒」は時間的に最も「過去」にあたりますが、その「白=現在」の存在が認識できるのも「黒=過去」あってのこととなります。素材固有の特性と黒から「白へ」向かっての作業の中で「表出」する現象そのものが、そのまま私の作品ということになります。

 

 

profile

1959 生まれ(福島県喜多方市)

1980 武蔵野美術短期大学 油絵科卒業

 

Selected Exhibition

1983 グループ展「創作展」(新宿センタービル・SCホール)

1984 グループ展「武蔵美展」仙台

1986 国際デッサン交流展 入選(大阪府立現代美術センター・東京銀座川上画廊)

1997 ABC美術コンクール 入選(大阪ABCギャラリー・有楽町朝日ギャラリー)

1998 小野画廊現代美術小品展 佳作賞(銀座小野画廊)

2000 1月 個展(銀座小野画廊)

2000 9月 第21回 インパクトアート展(京都市美術館)

2000 11月 ARTEX 2000(東京国際フォーラム)

2003 6月 個展 銀座Keyギャラリー

2003 10月 東京展(東京都美術館)

2006 9月 個展 exhibit Live & Moris

2007 12月 個展 exhibit Live & Moris

2008 2-3月 Minimal Painting 21 Gallery惺SATORU

2009 1月 日下芝・鈴木比呂志 二人展 KEY GALLERY

2010 7-8月 FLOWERS Gallery惺SATORU

『時間と表出「ずれ」-a』

  45×45cm 和紙・アクリル 2010

 (C)Hiroshi Suzuki

 

田中マサシ Masashi TANAKA

空気

 

今回のテーマ「白」にあたり、考えに浮かんだ事は、"White"と日本語である「白」との関係です。自分がイメージした「ホワイト」はペンキでのっぺりと塗った壁のような抑揚の無い、質感の無いものでした。対して、日本語の「白」から想起された感覚は、もっと豊饒なものでした。ただの明るいばかりでない、翳り、滲み,或いは、濁り、澱み,もしくはある化学物質が沈殿してたまった様な、感触を、含みます。そう言った漢字「白」から来た感触を大事にして、今回はわざと、被写体にペンキの塗ってある路面を使いました。路面のグレー、剥げかかった質感や、露出による滲み、などで、本来は"White"であるはずの被写体から「白」を、引きずり出したつもりです。

最後に思ったのは、「白」を「白」たらしめているものは、物と目の間にある「空気」なのではと考えにるにいたり、このタイトルがあります。

今回は、デジタル写真を使う事でプリントアウトでもインクジェットなどで多彩な紙や資材が写真の支持体として使われている時代、「白」の表現を自身の選択した紙のテクスチャーに委ねて表現出来ないかと思いました。また今回、路面の白いペンキを撮影しましたが、それを使って写真と絵画の中間的な表現を出来ないか、白の滲みの部分に空気、空間の様な雰囲気を表現出来ないか、という試みをしました。

 

 

profile

1963 東京都国立市生まれ

日本大学芸術学部卒

 

Solo Exhibition

1991 ”Faces”(浦和 柳沢画廊)

1992 ”DARK STAR”(浦和 柳沢画廊)

1994 ”DARK STAR2”(銀座 ギャラリー惣)

1996 ”DARK STAR3”(銀座 ギャラリー惣)

1997 ”チュニジアに行ってきた。”(浦和 柳沢画廊)

1999 ”DARK STAR4”(銀座 ギャラリー惣)

2000 ”DARK STAR5”(北青山 保加梨)

2001 ”DARK STAR6”(”CORRESPONDENCE/LANDSCAPE2001”

恵比寿ギャラリー工房”親”)

2001 ”DARK STAR1→5”(吉祥寺 Gallery惺SATORU)

2002 ”DARK STAR7" (さいたま 柳沢画廊)

2003 ”DARK STAR8”(吉祥寺 Gallery惺SATORU)

2006 ”DARK STAR9”(さいたま 柳沢画廊)

2008 ”DARK STAR10”(吉祥寺 Gallery惺SATORU)

”DARK STAR11”(枚方市星ヶ丘:SEWING GALLERY)

2010 ”DARK STAR12” (さいたま 柳沢画廊)

 

Group Exhibition

1999 ”CORRESPONDENCE/LANDSCAPE4”(恵比寿 ギャラリー工房”親”)

2000 ”緊急展示25時 ”(新大久保 ギャラリーフレスカ)

2003 ”Multiple&ArtistsGoods Exhibition”(吉祥寺 Gallery惺SATORU)

『空気-36』

 紙-柿田300kg デジタルプリント

 20.0×30.0cm

 2010 ed.20

 (C)Masashi Tanaka

 

浜中伸夫  Nobuo HAMANAKA

雪原

 

白は全ての光を含みながら同時に画面の中では余白に成る、全てを含む空白、つまり無限大=無という一見矛盾する性質を両立させる色です。

 

 

profile

 

Selected Solo Exhibition

2003、2004 Gallery銀座一丁目

2006 千駄木画廊

2007、2008、2010 ギャルリーソレイユ

2009 GINZASTAGE1

『 雪原 』

 29.7×21.0cm

 ケント紙・アクリル・ラミネート

 2010

 (C)Nobuo Hamanaka

藤田道子  Michiko FUJITA

雪の結晶

 

白については、空間をイメージしました。

支持体がどのようなものであっても、支持体=空間という意識があります。

その空間にもとから居たような具合にそっと作品を添えていく。

ポツンと居る。

そんなことを私は作っているのだなと、最近思います。

 

雪の結晶というモチーフからは、雪がひとつひとつの小さな結晶の集合体だということに

衝撃を受けた子どものころを思い出しました。

結晶の美しさ、ひとつとて同じ形が無いこと、肉眼ではみることが出来ないこと、すぐに溶けて形を変えてしまうこと。

そしてそんな結晶達が舞い降りてくるこの世界の不思議を想ったことを思い出し制作しました。

 

 

profile

1980 生まれ

2003 東京造形大学美術学部絵画科版画コース 卒業

2004 東京造形大学美術学部絵画科版画コース 研究生修了

 

Solo Exhibitions

2002 瞬きのリズム 東京造形大学内 ギャラリーnode

2003 藤田道子展 ギャラリーエス

2006 右から光り ギャラリーエス

2009 虹になる Gallery惺SATORU

    Kyoju to Joshu Gallery惺SATORU

2010 藤田道子展 ギャラリーゴトウ

『 Untitled 』

 直径20cm

 ガラス シルクスクリーン

2010 ed.20

(C)Michiko Fujita

神悦子 Etsuko YAMAGAMI

白―地と図

 

油彩の場合

白いキャンヴァスに色絵具を塗る時 白は地になり

さらに色絵具を塗っていくと 白が地か図かわからなくなり

さらに色絵具をキャンヴァスいっぱいに広げて 白い絵具で描く時 白は図に

さらに白い絵具を塗っていくと 白が図か地かわからなくなり

さらに白い絵具をキャンヴァスいっぱいに広げて 白い絵具で描くと白い絵になり

あるいは ほとんど白くなったキャンヴァスの上に色絵具でかくこともあるけれど

それは最初にもどることとは違うのです

 

水彩の場合

白い紙に色絵具で描く時 白は地になり

さらに色絵具が画面に広がるにつれて 白が地か図かわからなくなり

さらに色絵具が広がると 塗り残した紙の白が図になり

さらに色絵具で塗りつぶした紙に白い絵具で図を描くこともできます

 

<白い作品を描くことになった経緯と白のイメージ>

白は他のどの色とも相性が良く、地にも図にもなり、白の絵具は他のどの色と混ぜても濁らないので私は素材としての白色にとても惹かれます。今思えば1993年ごろ自分が好きな色彩を強く意識し始めた頃から、波はあるものの白に拘り続けているようです。

 白は黒と共に色の両極端でありながら、むしろそれ故にとても似ています。絵を描いていてどこまで明るくして行けるのだろう、どこまで暗くして行けるのだろうと、探究し、挑戦したくなる色です。どちらも行きつく先は虚無なのだろうと予感しますが、絵である以上、その一歩手前で止めなければなりません。

 そんな理由で、白の地に白の図というニュアンスから成る絵を描いています。画面をどこまでも明るくして行くと光のイメージに近づきます。人が生まれた直後に眩し過ぎて目が開けられない時に感じる色、そして死ぬ直前に感じる色が明るい光のような白ではないかと想像します。

 

 

 

profile

1950 香川県生まれ

1973 お茶の水女子大学家政学部家庭経営学科卒

 

Selected Solo Exhibition

1996 かわさきIBM市民文化ギャラリー (神奈川)

1999 ’07 ギャラリー工房“親” (東京)

1999 ’01,’02,’03,’04,’06 GALRIE SOL (東京)

2004 ’10 Gallery惺SATORU (東京)

2006~7 ギャラリーアルテ (香川)

2009 Shonandai MY Gallery (東京)

 

Selected Group Exhibition

2002 イビザ版画ビエンナーレ(スペイン)

2003 サン・モール版画ビエンナーレ(フランス)

2003 カダケス国際ミニプリント展(スペイン)

2008 MY Interaction 2008 Shonandai MY Gallery(東京)

2008 ART OSAKA (大阪)

2010 FLOWERS  Gallery惺SATORU(東京)

 

滞在制作

1998 Art Colony Galichnik(マケドニア)

2000 The International Painting Plein Air Plovdiv(ブルガリア)

 

Prize

2001 第2回資生堂ADSP

『 Untitled 』

60,6×60,6cm

oil on canvas

2010

(C)Etsuko Yamagami

 

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