色考|白  後期

色考|白  後期

2011年1月18日 (土) ―  1月30日(日) 
13:00 ― 19:00   月・火休廊

 

同時開催:winter gift 展

 

板垣悠 / Haruka ITAGAKI

色づく前の紫陽花

 

白は常々好きな色である。

まず思い浮かんだのが、色づく前の紫陽花だった。

淡い水色や鮮やかな青や濃い赤紫になってゆく紫陽花の、

まだ何色になるかわからない状態。

これからの可能性を感じる魅力的な状態。

桃や林檎を傷から守る緩衝材に同じ魅力を感じている。

包んでいたものの匂いと形をほんの少し残しているそれは、とてもおもしろい。

熱くも冷たくもなく、軽く、ふわふわとして、静かだけれど、妙な存在感がある。

目にも留められずに捨てられてゆくものかもしれないが、

その前に、まだ何かになりそうな気がしている。

 

profile

1984 東京生まれ

2007 武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業

2009 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻日本画コース修了

 

Website:

ITAGAKI Haruka Website

http://members2.jcom.home.ne.jp/har-uka/

 

Solo Exhibition

2007.07 「板垣悠展」/武蔵野美術大学内gallery608

 

Group Exhibition

2007.11 「アートプログラム青梅2007  出会いのよりしろ-総天然色の無意識-」/青梅の街中

2009.01 「定点09  -FIXED POINT '09-  New Painters Group Show」/Gallery惶SATORU

2010.03  「宴-EN-」/The Artcomplex Center of Tokyo

2010.07  「FLOWERS」/Gallery惶SATORU

「包む」

 51.5×36.4cm

 パネル、麻紙、岩絵具、鉛筆

 2011

 (C)Haruka Itagaki

 

小田橋昌代 / Masayo ODAHASHI

うさぎ

 

1月はしろ

まっさらな一年のはじまり

その下にある膨大な年月を覆い隠して

私にとって白という色は、何もないまっさらな、いわば初めての状態であり、

すべてを覆い隠しその上に存在する色でもある。

 

 

profile

2000 愛知教育大学大学院教育学研究科芸術教育専攻 修了

2004 金沢卯辰山工芸工房ガラス工房技術研修者 修了

2005-07 大阪芸術大学芸術学部工芸学科ガラス工芸コース 非常勤嘱託職員

2007-08 愛知教育大学現代学芸課程造形文化コース 非常勤講師

2008- フリーで活動

 

発表活動等

2005 個展 Gallery惺SATORU(’09)

2006 ‘The Face-Lost and Found Again’ (Alexander Tutsek Foundation, ドイツ)

2007 国際ガラス展・金沢2007 奨励賞

2008 倉敷芸術科学大学ガラス工芸コースにて滞在制作を行う

2009-10 個展’Inner View’(ドイツ、ギャラリーB及びデンマーク、Ebeltoft Glass museum)

 

所蔵先

Alexander Tutsek Foundation (ドイツ)/Ebeltoft Glass Museum(デンマーク)

富山市/Hotel Murano (ワシントン州)

『 しろうさ 』

 H20.5×W13.5×D8.5cm

 ガラス・キャスティング・エナメル着彩

 2010

 (C)Masayo Odahashi

 

キタマタヨシヒロ   / Yoshihiro KITAMATA

純潔-結婚-老人-灰

 

人間の一生には随分と白という色に象徴されるいろいろな局面があると思い、思いつくままに挙げてみました。生~死の順番で。(もっと良いイメージがありそうですが。。。)

 

純潔ー少年、少女

結婚ー本来なら赤と白でしょうか

老人ー白い服を着た白い髭の老人、老賢者のイメージ

灰ーこれは普遍的なイメージではないかもしれません。個人的には、真っ白に燃え尽きた、というイメージ。

 

白という色は昔から様々な儀式で再生の象徴として使われてきたそうです。

ならば白に象徴される局面が多いのは当然かもしれません。

(蛇足ですが日本の葬儀の衣装は本来は白だったらしいです。)

現代で色を使うという時は絵を描いたり、おしゃれをしたりということになりそうですが、もともと色を使うということは厳粛で重要なことだったのかもしれません。

 

 

profile

1969 和歌山生まれ

2003 豊饒展

2004 豊饒2展

2008 愉楽展

2009 ちのはて展

2010 グループ展 FLOWERS

『かれは1(潜在的環境)』

 648X348

 デジタル写真

 アルシュ紙にジークレー印刷

 2010 ed.30

 (C)Yoshihiro Kitamata

 

木村夏樹 /  Natsuki KIMURA

 

〈肌〉

白をテーマにしたコラージュを作ろうとした時、最初にイメージしたのが〈肌〉でした。とある女性の白い肌を撮った写真が何枚かあったので、それを素材にしたコラージュを作りたい、と思ったのです。

 

〈白い箱〉

私は実生活で嫌なことがあるとそれが作品に反映されることが多いのですが、今回も生活が脅かすようなことが起きてしまい、「我々が生活と呼んでいるものは、〈目に見えないもの〉にコントロールされているのでは? もしそうだとしたら、その〈目に見えないもの〉をとらえることはできないのだろうか?」と考えるようになりました。

そこで思いついたのが〈白い箱〉です。「〈白い箱〉の中なら、〈目に見えないもの〉を見えるようすることができるのではないだろうか?」と考えたのです。この時、頭の中に〈スクリーン〉や〈標本〉や〈結界〉のイメージがあり、いつも黒にしていたコラージュの背景が白か無地にかわりました。

 

〈目に見えないもの〉

いろんな〈目に見えないもの〉をコラージュにしました。いつの間にか、テーマは〈肌〉にとどまらなくなっていました。

 

-『神様のソファ』では、「神」と呼ばれる存在がどこかにいて、ダイヤルをまわすことによって世界を操作している、というイメージを描いています。

-とある女性の白い肌を撮った写真を使った『つなぐもの』では、男を女にひきよせる「何か」をモノとして描いています。(私はこの「何か」が、地球で発生したものでないように感じることがよくあります)。

-『ほんとの空』と『ケンタウルス系』は宇宙人の存在をほのめかすものです。

-『コカコオラ』では、広告がもたらす購買意欲を、背後からプレッシャーを与える圧力として描いています。

-『彼女』と『真実の灯』は人の〈意思〉をテーマにしています。

-『boy』は、〈若さ〉というとらえにくいものをコラージュを通して描こうとしたものです。

 

 

profile

1968  兵庫県尼崎市生まれ

1991  上智大学比較文化学部比較文化学科卒業

 

Solo Exhibition

2010 Water(吉祥寺 ギャラリー惺)

 

Group Exhibition

2001  Paste and Pixels(Core Gallery, New Paltz, NY)

2002  -S-U-P-E-R-P-O-S-I-T-I-O-N-(吉祥寺 Gallery惺SATORU)

2010  FLOWERS(吉祥寺 Gallery惺SATORU)

『つなぐもの』

13.4×14×4cm

紙・木・金属・石・ゲッソ

2010

(C)Natsuki Kimura

酒井稚恵  / Chie SAKAI

白馬に乗った王子様

 

わたしは見たわ、まっしろな馬に乗った、わたしだけの王子様を

 

※年の始めに白馬を見ると一年の邪気が祓われるという故事にちなみ、

京都の上賀茂神社では、お正月に「白馬奉覧神事」という神事が行われます。

 

 

profile

2000 大阪芸術大学 工芸学科 テキスタイルデザインコース卒業

2002 大阪芸術大学大学院 芸術制作研究科 表現領域(染織)修士課程修了

2004-2006 大阪芸術大学大学院 非常勤助手

2006-2008 芦屋市立打出浜小学校常勤講師(図工専科)

2009 -2010 こども造形教室 ふたご山図工室主催

 

Solo Exhibition

2010 Gallery Gallery/京都

2009 “GIRLY” GALLERY SOL/東京

2008 “GIRLY” 千疋屋ギャラリー/東京

2007 ギャラリーHIGUCHI/福岡 “GIRLY” ギャラリー白/大阪

2006 AOAO 天窓ギャラリー/京都 “DOT/CHECK” ギャラリーTENTEN/神戸

2005 “Convert A to Z” 千疋屋ギャラリー/東京

2004 “Love the Material V” Pepper’s Gallery/東京 ギャラリー北野坂/神戸

 

Prize

5th International Fiber Art Biennale 優秀賞

3rd International Fiber Art Biennale 優秀賞

大阪芸術大学卒業制作 研究室賞

『モーニングコールの約束』

 H10×W20×D20cm

 プリント綿布(ドット&花)・ナイロン糸

 ニードルワーク

 2010

 (C)Chie Sakai

好宮佐知子 / Sachiko YOSHIMIYA

降る色

 

日常見ている全てのものは、光があるからこそ目にすることができます。光は、珊珊と頭上から降りそそぎ、様々な色に変わり地上にある全てのものを照らしています。人は日々生活している中で様々な光景を目にします。その何気ない光景が時に、特別なものに見えることがあります。清々しい、シーンと静まり返った静止画のように目に映り、私の記憶の中に残ります。その記憶は蓄積され、表現できる時まで暖め、やがて時が来ると作品となるのです。静止画となった光景は、柔らかい光に包まれ、光は粒子となって降りそそぎ、漂います。その漂い降りそそぐ光の粒子とそれらを取り巻く空間を私は描いています。

制作は硬質な暖かみのある白い下地から始まります。そこへ一層一層布を置くように色を塗り重ね、過去に目にした光景を表現していきます。光の当たる明るい部分はできる限り下地の白を生かしながら色をつくり、少しずつ、降りそそぐ光を描き足し画面を構築していきます。白は空中に漂う光そのものの色として捉えています。

絵画を描くことは、描く世界に旅することであり、絵画を鑑賞することは、描かれた世界に旅することです。今存在する日常という世界から、目の前に広がる絵画という世界への旅立ちを達成させる装置として、絵画を描いています。

 

 

profile

2000 愛知教育大学大学院教育学研究科芸術教育専攻 修了

2004 金沢卯辰山工芸工房ガラス工房技術研修者 修了

2005-07 大阪芸術大学芸術学部工芸学科ガラス工芸コース 非常勤嘱託職員

2007-08 愛知教育大学現代学芸課程造形文化コース 非常勤講師

2008- フリーで活動

 

発表活動等

2005 個展 Gallery惺SATORU(’09)

2006 ‘The Face-Lost and Found Again’ (Alexander Tutsek Foundation, ドイツ)

2007 国際ガラス展・金沢2007 奨励賞

2008 倉敷芸術科学大学ガラス工芸コースにて滞在制作を行う

2009-10 個展’Inner View’(ドイツ、ギャラリーB及びデンマーク、Ebeltoft Glass museum)

 

所蔵先

Alexander Tutsek Foundation (ドイツ)/Ebeltoft Glass Museum(デンマーク)

富山市/Hotel Murano (ワシントン州)

『降る色(12月)』

 45.5×52.5×4.4cm

 鉛筆、水彩、白亜地、寒冷紗、パネル

 2010

 (C)Sachiko Yoshimiya

渡辺伸 / Shin WATANABE

絵画の余韻-冬

 

絵画の余韻

ドラクロアやベラスケス等の巨匠の作品を想い描く時、くっきりとした像は浮かんで来ないが、接したときの感動や空間などが徐々に蘇り、網膜の裏にイメージが透けてくる。

 

小雨が降り注ぐ冬空に霧の間から突如、白く浮かび上がるスカイツリーはまるでブリューゲルが描くバベルの塔のようにそびえ立ち、その様相に畏敬の念さえ感じつつ、再び自宅を目指し歩を進む。

 

 

profile

1961 東京都生まれ

1984 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業

 

Solo Exhibition

2010 柳沢画廊(埼玉)('06・'02・'00・'97・'95・'93・'91・'90・'88)

2009 SPCギャラリー(東京)

2007 Gallery惺(東京)('03)

2004 ギャラリー山口(東京)('99)

2001 藍画廊(東京)('96・'94・'92)

1999 Galere de Cafe 伝(東京)('93)

1998 オレゴンムーンギャラリー(東京)

1995 ギャラリーK(東京)('93)

1991 真木・田村画廊(東京)('89)

1987 ギャラリーQ(東京)

1984 埼玉県立近代美術館 一般展示室3(埼玉)

 

Selected Group Exhibition

2010 「情景-痕跡」大友洋司・渡辺伸 2人展 白矢アートスペース(東京)

    「FLOWERS」Gallery惺(東京)

2008 「京橋3-3-8」藍画廊(東京)、 「小さい版画」柳沢画廊(埼玉)

2007 「DEBLI projec Vol」ギャラリー・ルデコLE DECO(東京)

    「ALL IN LINE」柳沢画廊(埼玉)

2005 「定点 -それぞれの世界-」Gallery惺(東京)

2003 「第32回現代アーチストセンター展Beauty」東京都美術館(東京)('01)

   「Multiple&Artist good exhibition」Gallery惺(東京)

2002 「SUPERPOSITION」Gallery惺(東京)

2000 「版の饗宴 2000」藍画廊(東京)

1999 「第7回リキテックス・ビエンナーレ」青山スパイラルホール(東京、他)

1998 「EU JAPON展」新木場SOKOギャラリー(東京)

    「第3回アート公募'98」新木場SOKOギャラリー(東京)

1994 「現代日本美術展」東京都美術館(東京)、京都市美術館(京都)(’89)

1990 「TANGRAM」世田谷区民ギャラリーA室(東京)

1985 「WITH FOUR EXHIBITION」埼玉県立近代美術館一般展示室1(埼玉)

 

Prize

第13回ホルベインスカラシップ、 3st.From A THE ART JAPAN/奨励賞

 

Art Works/29号表紙

「手にした水をこぼさずに運ぶ」

17.5×17.5cm

 oil on canvas

 2011

 (C)Shin Watanabe

 

 

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