百瀬玲亜 「きざしの庭」

百瀬玲亜 「きざしの庭」

Momose Reia

2017/4/15(土) ー 4/30(日)

12:00 ー 19:00(最終日17:00まで)/ 月曜日、火曜日休廊

オープニングレセプション 4/15(土)17:00 ー 19:00

15 April ー 30 April  2017

12:00 ー 19:00 (lastday12:00 ー 17:00) / mon. tues. close

Opening Reception 15 April 17:00 ー 19:00

 

 漆は塗膜の持つ手触りや艶などの質感が最も魅力的であると感じられます。なめらかでしっとりとした特有の肌合いを想起させる深い艶と、実際の触り心地は他の塗料に見ることはできません。制作の根源はその塗膜によって呼び起こされる、触ってみたいという感情にあり、そこから艶を活かし魅力を伝えられる形体の探求をしています。

 漆の艶を生み出すためには塗りと研ぎを繰り返しますが、使う砥石は次第に小さく薄くなり、最後には手のひらに付けた粉で研磨します。この時ごく僅かな凹凸にも気が付くほど手のひらと一体になる感覚があります。この作業を踏まえた造形においては、手と素材との抵抗や自身の中に生ずる形体とが混ざり合うように、手の動きに従って自然と形は変化していきます。このように造形でも作業上でも触るということを基調としており、漆だからこそできる造形表現があるのではないかと考えています。

 技術的な面では、麻布を漆で張り重ねる乾漆技法で形を制作し、表面的な仕上げは塗立か上塗をさらに細かく磨く呂色仕上げです。どちらの技法もオーソドックスなもので最も漆らしい仕上げともいえます。漆の基本的な作業でつくられる表面は最も漆的でありながら、同時に水面のような不思議な被膜を纏っているように感じられます。そこから造形と色彩を追求していけば漆の魅力はもちろんのこと、単なる表面上の漆からさらに昇華した物体としての表現ができるのではないかと考え、それを目指しています。

 

 今回の作品は、花が咲く、実が生る、芽が伸びるといった木々や草花が刻々と姿を変えていく動きを、形や色や光の加減で多彩に変化する塗膜で表しました。力強さや移ろう儚さを形に留めて、花器に花を活けて楽しむように空間へ瑞々しく拡がっていき装飾します。

 草木が姿を変えながら、また場所を変えながら次の世代を残していく様子には儚さがありますが、今に至るまでの連綿とした繋がりから、一見は同じでも転転と様々な出来事や場所を巡りながら成長していく姿には、新しいことが起きようとする昂揚もあります。

 春は芽生えの季節ということもあり、なにか良いことが起こりそうなわくわく楽しくなる感覚があります。草木の姿を借りてそのような兆しのある空間をつくれたらと思います。

 

経歴

1987 長野県松本市生まれ

2011 金沢美術工芸大学工芸科卒業

2013 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科修士前期課程修了

          金沢卯辰山工芸工房入所

2016 金沢卯辰山工芸工房修了

 

展覧会

2017 「アートフェア東京2016」東京国際フォーラム(東京)

2016 「若き気鋭の工芸家たち」社団法人日本アート評価保存協会(東京)

      「アートフェア東京2016」東京国際フォーラム(東京)

      「金沢21世紀工芸祭」町屋カフェ土屋(金沢)

   「金沢の現代工芸最前線」金沢市立安江金箔工芸館(金沢)

   「百瀬玲亜漆展」山ノ上ギャラリー(金沢)

2015 「第71回金沢市工芸展」世界工芸都市宣言記念賞受賞(金沢)

      「アートフェア東京2015」東京国際フォーラム(東京)

      「Japan Spirit×15 ~URUSHI~」オリエ アート・ギャラリー(東京)

      「みずのうつわ」Gallery惺SATORU(東京)

      「現代工芸の展開2015」金沢市立安江金箔工芸館(金沢)

2014 「アートフェア東京2014」東京国際フォーラム(東京)

      「雨奇晴好 ―硝子 陶 漆」Gallery惺SATORU(東京)

      「agnès loves japon」新宿伊勢丹/アニエスベー青山店(東京)

      「一陽来復 年送り年迎えのかたち」Gallery惺SATORU(東京)

2013 「第69回金沢市工芸展」金沢商工会議所会頭賞受賞(金沢)

      「2012 薄井歩 百瀬玲亜 二人展―楽境―」カフェギャラリーミュゼ(金沢)

2011 「第67回金沢市工芸展」金沢市工芸協会会長賞受賞(金沢)

      「日本漆工奨励賞受賞」

      「漆展―新しい漆のかたち―」伊丹市工芸センター(兵庫)